「頑張る」

 

はあはあと息をつくだけで腰の辺りが痺れるような感じがする。
呼吸や拍動はともかく、さすがに自分の感覚までは伝わらないだろうと思うけど、トリのくすくす笑いに全部ばれている気もしてくる。
「場所、変えるか?」
「も…もうちょっと待って…」
トリにしがみつくようにしているおかげでやっと身体を支えていられるけど、動こうとした瞬間腰から崩れ落ちそうだ。
俺を膝の上に抱え上げているような格好のトリはきっと床の上だとつらいと思う。
だから場所を移動してやりたいのは山々だけど、落ち着くまでもう少しだけ待ってほしい。
トリの上半身にもたれかかるようにして、息を整える。
整えようとするけれど、お互いの繋がった部分から熱が広がっていくのがわかって、困ってしまう。
どうしよう、とトリの顔を見上げると優しく唇を啄ばまれた。
「俺は別にこのままでもいいけど?」
だからもう一回する、ということに一応俺も異存はない。
このままじゃ熱が治まらないのは火を見るより明らかだろう。

 

「でも、俺が乗りっぱなしでトリは大丈夫なの?」
おずおずと尋ねると、トリに吹き出された。
「お前は軽いから大丈夫だ。というかお前が頑張ってくれるなら、俺はいくらでも平気だけどな」
「……!!」
俺の次のモーションを促すように、トリは腰を揺すってくる。
さっきまでの余韻とは違う、また新しい刺激にビクンと背中に電流が走る。
(頑張るって…)
俺はさっきも十分頑張った気がするけど、トリはまだまだ足りないらしい。
確かに途中で腰が痺れて動けなくなってしまったので、結局はいつものようにトリに主導権を握られる形になってしまったけれど。

足に軽く力を入れてみる。
少し休んだおかげか、さっきよりは大丈夫そうだ。
何より、まだ俺の中にいるトリが早くしろと主張してくる。

上目遣いでトリをにらんでみたけれど、相変わらずの涼しい顔だ。
後ろに手をつくと、腰を前に押し出すような姿勢になってちょっと恥ずかしかったけど、ここまできたらしょうがない。

「あ、明日は朝飯作ってベッドまで運んでこいよ…っ」
「ああそうだな。明日のことは心配しないで思い切り動け」
「……ッ」

ムカつくけどトリの嬉しそうな顔にはやっぱり弱い。

 

結局リビングでそのままだらだらと貪り合い続け、いつベッドに運ばれたのか覚えていないという結果となった。

 

 

 

 

END